素数逆数和の名誉回復について

素数の逆数和は、自然数の逆数和(=メルカトール級数)の素数版として興味深い数でございます。下添Hyperion64さんの記事も参照。

 

hyperion64.hatenadiary.org

 

氏もしばしば紹介されておられる優著フィンチ「数学定数事典」にも、当然、記載ありですね。

 

ただ、そこでの紹介表現はやや寂しいと感じましたので、ひとつぶやき。

 「(・・・に比べて,)たいして興味をひくものではない.」(p95)

 

・・・う~ん、この表現はちょっと寂しいかも。翻訳モノですんで表現は原著に忠実なのでしょうが。

せめて「(素数逆数和)も考えられるが、[と、一定の評価をし、別の定数は]さらに興味深い。」などと出来んかったんでしょうか。この数は、十分に興味深いんです。この数の名誉の回復を祈念するものであります。

 

とはいうもののこの本「数学定数事典」は、たいへんよい。無人島に1冊持っていけるとしたらどの本?といわれりゃ、わたしゃ迷わずこれを選びます。

事典という名の割には文体が無機質ではなく、フィンチ先生の個人的嗜好も散見され、さらに監訳者一松先生の機知も、おそらく添加されているものと思われて、自分史上最強の本です。

前述の素数逆数和の箇所は、そういうフィンチ先生の嗜好が出てきたものと推察されます。

 

いずれにしましても、素数逆数和は「普通よりちょっときれいな貝殻」なんです。

 

「私は海辺で遊んでいる少年のようである。
ときおり、普通のものよりもなめらかな小石やかわいい貝殻を見つけて夢中になっている。」アイザック・ニュートン