≪1≫ 目視&体感&観察&だいたい主義者による無限級数を堪能する、の時間です。
いきなりですが、ボールウィンエルデシュ定数ってご存知でしたでしょうかね?それは

=1+1/(4-1)+1/(8-1)+・・・
っちゅうものでした。分母は、整数論の世界では高名な「メルセンヌ数」。なのでこれは「メルセンヌ数の逆数和」ということになります。
定数自体に固有名称がついているだけあって、いろいろよく調べられておりまして、
・それは無理数。1948,エルデシュさん。
・それは超越数。1996,西岡啓二さん。
・数値は 1.60669...
・OEISでは、 A065 442。
こういう級数ですが、もと(?)の

は、あっさりと「1」へ収束します。(・・・こういう日和見的に整数とか有理数に収束してしまう連中は、"発散!"と呼んでもいいかも知れませんなぁ)
これに、分母へ「-1」とか「+1」を加えるだけで性格が大きく変化するのって、すごく不思議で魅力的ですよね~。例えるとそれは、ラーメン🍜という母体に、少しだけニンニク味噌や辛子みそを入れて味変を堪能するに似ていると言っても過言では無いのです。
[食べログより]
【余談】写真は、京都左京区の一条寺にずっと以前からある「天天有/本店」のものですが、愚生のラーメンランキングで約半世紀に渡って第1位を独走し続けているものです。後半に入れる辛子みそのようなものも絶品、学生時代は「毎日、これでもええんやけど」というくらい通っておりました。機会があればみなさまも、ぜひ!!
≪2≫ えっと、本題に戻ります。初めのは、「-1」でしたが、同じものに「+1」ではどうなるのか?は自然な欲求。つまり、こういうの。

=1/(2+1)+1/(4+1)+1/(8+1)+1/(16+1)+・・・
カタチは、これも高名なフェルマー数に準ずるような数。上記のうち太字の分母が純正なフェルマー数で、かつ素数。素数になるのは5つしか見つかっていないというあれ。収束値としては、これも同様に、
・それはやはり無理数。1948,エルデシュ。
・超越数。西岡啓二さんほか。
・数値は 0.76449...
・OEISでは A323 482にあるが、n=0からスタート。0.5多い。
(ちなみに、純正なフェルマー数の逆数和となりますと、nが0からのスタートとなり、

=1/(2+1)+1/(4+1)+1/(16+1)+1/(256+1)+1/(65536+1)+・・・
ここでの太字5ケのみが、今までに知られている素数。
・それは無理数。1963,ゴロムさん。
・超越数!2001、デュベルネさん。
・数値は 0.59606...
・OEIS A051 158。)
先程の続きですが、この手のものは、±1のところが(0ではない)代数的数なら、無理数でかつ超越数とまでは「判明している」とのことでした。
こういうのに対してフィンチさんが「数学定数事典」(朝倉書店、2010)のなかで面白い表現をされてましたので、引用しておきましょう:
(この)ような定数について、あれこれ思いをめぐらし40年が過ぎた。(p358)
≪3≫ 分母のところを、上記ではいきなり指数関数 2^n で始めましたが、もういっこ手前の増加関数である2乗版 n^2 ではどうでしょう。
御承知の通り、味変しない場合はバーゼル定数 ζ(2) となります。π^2/6。
味変-1では和は3/4となって、これはつまらない、有理数に"発散"。
ですが、+1の場合は以下の様に、解明はされているようですが、おもしろい結果となる様です。[一松他、岩波数学公式Ⅱ、1976,p67]

=
これに関しては、
・無理数と。
・超越数とも。
・数値は 1.07667...
・OEIS さんでは、A259 171。
≪4≫ こんどは逆に、指数関数 2^nより強力な階乗n! をもってきましょう。
これも、素な場合(何も入れない場合)は、eとなるヤツです。ここに、-1,+1を入れてみると、どうなるでしょうか?以下のシグマでnは、素な場合と同様に0からとしていますが、分母が0になるような場合は除外とします。
(実質、n=2からスタート)
= 1/(2-1)+1/(6-1)+1/(24-1)+・・・

= 1/(1+1)+1/(1+1)+1/(2+1)+1/(6+1)+1/(24+1)+・・・
これに関しては、
・無理数らしいが、未解決。
・超越性も同様。
・数値は 1.25349...と、1.52606....。
・OEIS さんでは、A331 373、A217 702。
無理性が未解決ということで、重要性が評価されてる風です。
・[2026.10.18 追記]e₊の方は、「ポール・エルデシュが立てた問い」という
ことで、J.ハヴィル、無理数の話、2012,青土社、p149に登場されて
いました。当時は、無理数性が不明な数の一例としてでした。
・AI襲来の今日では、もう解決済みでしょうかね??
≪5≫ 最後に、もういっこ強力なn^nを注文しましょう。(お店での最初の注文で、もやしてんこ盛りで注文するような。。。なお、天天有ではこの選択肢はゴザイマセン)
これも、素な場合は「二年生の夢」として有名な定数でした。

= 1+1/4+1/27+1/256+1/3125+・・・
・無理数らしいが、未解決。
・超越性も同様。
・数値は 、1.29128....。
・OEIS さんでは、A073 009。
で、これの味変版。
(実質、n=2からスタート)
= 1/(4-1)+1/(27-1)+1/(256-1)+・・・

=1/(1+1)+1/(4+1)+1/(27+1)+1/(256+1)+・・・
・ともに無理数らしいが、未解決。
・超越性もおんなじ。
・数値は 、0.37605...と、0.73994....。
・OEIS さんでは、A--- ---、A134 883。
分母のは、リーゼル数、シェルピンスキー数としても素数探索の対象と
されてる模様。
≪6≫ 今回は、分母の基本的な増加関数に±1をもってきて、いろんな味変を堪能してみました。記事中の数値や無理性などは引用ばかりで、ちょっと数年前の様にエクセル(モドキ)で計算することも、愚生のなかでも過去の方法になりつつある現状です。
おおむかし、√2とか円周率 π を何桁も手計算したりといったことも、歴史的な事象のひとつ。大学入試あたりでの「○○の近似値を、小数点以下□□桁求めよ」といった問題も、すっかり表舞台から消え去った感じですな。「そんなの、チャッピー君に聴けば?」
ですが、かつての「二分法」だとか「ニュートン法」だとかは、いまは地下にもぐってAI社会を下支えしているのだとも。(これもAI情報・・・)
はじめの天天有の味も、一時、持ち帰り用パックとかがあったりしましたが、やはりどっか違う。また、現在の味は50年まえの初代のあじとはビミョウに違うという意見もありますが、近い将来、AIこだわり店長が当初のあじを再現して下さるものと期待しております🍜
なかなか激しい時代ですが、かつての「産業革命」時代の人々も、時代の急激な変化にはこんな風に感じてたのかなぁと、思いめぐらせておる今日この頃であります😅
≪7≫ ふろく
あんましどこにも載ってない記事として、こんなのを載せておきます。
テーマ:平方数の符号付き逆数和で、オイラーの定数 γ=0.57721...を構成する。
、ここでεnは1または-1。
久々の実験結果は、以下の感じ。

作り方は簡単で、途中の結果がガンマより多けりゃ、次の項はマイナスにする、少なけりゃその逆にする、です。
もとが収束するものなので、こういうやり方でホンマにガンマまで到達できるかは、要検証ですね。調和級数みたいな発散するものなら、比較的自由にeとかπでも収束させられそうですが。

























