≪1≫ 愚問のススメ第二章、サンプルの事例は前回の数論の世界から180度変わって、幾何の世界からの出し物となります。
≪2≫ おなじみの四色問題:平面の地図を塗り分けるには4色あれば十分、という例のあれです。証明されたという1976年以降、いまはもう定理になっちゃってる訳ですが
「これの立体版というのはどうなんだろう、、、」
と思うのが、正しい愚問の道その1です。
3分ほど目を閉じて考えてみますと、下図のような「反例」が浮かんでくるかと思います。
あるいは、もっと単純に、
これは、すべての立体の国が腕を伸ばしてお互いに接しているので、必要な色の数は
∞ 色。ということで、あえなく立体の世界での「四色定理」は不成立となるわけですね。(上の反例の下の図は、一松信[1]のp31~32(旧版)にあるものです。)
まぁ、これはこれで、ひとつの事実が判明したわけです。
≪3≫ これだけで終わるのはちょっと悔しいので、アマチュアの方は少々制限を加えて
「では、どの国も凸領域と限定すればどうなるんや?」
という疑問も湧いてこられるかと思われます。正しい愚問の道その2ですね。
凸領域ということは、平面で構成された立体国でないとダメですね。曲面だと、となりの国が凹領域になっちゃう。上記≪2≫のものは凹領域でした。
そもそも2次元の場合で、ある国を取り囲んでいる周辺国の数が偶数だと2色、中心の国は3色目が必要となりますが、奇数の場合は周辺国だけで3色、中心の国は4色目を使わなくてはなりません。([1]のp29~30を参照ください)
そこで、立体版を考えるにあたり、単純にこれを上にのばして三角柱とその周辺国を考えましょう。ここまでは平面と同様なので4色必要。次の図の左側図。
ここで、この三角柱&周辺国を上下で挟むように2つの大国を持ってきます。この2大国もお互いに接しています。次の図の右側。(かつての米ソ間のベーリング海峡を思い出します・・・脱線でした)ここまでで、4+2=6色が必要。
さらに、こんどは小さい三角柱の1国を分割できないか、ですが2カット、つまり3分割まではできそうです。各構成面を分割するような新たな平面でカットする。
つまり、8色は必要かと。何となく、もう1カット出来そうな感じもありますが、ここは後日ジャガイモかなんかで実証試験をしてみようと考えております。
(これも脱線ですが、・・・戦勝国が敗戦国の領土を山分けしてきた歴史を連想しちゃいます・・・いつまでこんなことをやってるんでしょう😖)
≪4≫ 更なる余談ですが、四色問題が定理と公開されたのは1976年夏。愚生がこれを知ったのは学生1回生の夏休みも最後の方8月末の実家でとっていた朝日新聞記事。予想自体はそれ以前からパズル書などで知っていましたが、そもそもこの手の問題は「解かれてはいけないもの、神器みたいなもの」のように感じていましたので、「そんなもの、解かれてもいいの?」とびっくりした次第でありました。
それ以降も、前回記事のフェルマーの最終定理解決だの、ポアンカレ予想が解決されただのって言ってるわけですが、人生のなかでこんなに多くの高名な未解決問題だったものが解決されるって、なんだかビミョウな感じもしておる次第であります。
(あの世で楽しめる未解決問題が少なくなっちゃう!!という心配)
≪参考資料≫
直接的には、文中でも引用しましたが、
[1]一松信、四色問題、ブルーバックス旧版B-351、1978(新版はB-1969、2016)
また以下2書は、愚生の種々の拡張思想の精神的支えとなっています。推薦図書!
[2]R.K.ガイ著、金光滋訳、数論〈未解決問題〉の事典、朝倉書店、2010
[3]R.K.ガイ他著、秋山仁訳、幾何学における未解決問題集、シュプリンガー、1996
netで見てましたら、「凸の条件だけでも、やっぱり ∞ 色必要」との記事が御座いました、・・・どんな例なのか気になるところですが、差し当たりざんねーん、ですが、いちアマ戦士としてはめげずにさらに愚問していきたいですね。