調和級数の収束化で遭遇した「石ころ」

≪1≫ ことしも懲りずにやってまいりましたゴールデンウイーク! これの楽しみ方、過ごし方はひとそれぞれで、あちこち出かけるひと、海外旅行に行く人、いろいろかと存じます。
 旅は旅でも数学定数収集の旅、これは単純にたのしく、そして何より安価であります。という訳で、ことしのGWもこの趣味で大半を過ごすという計画になっております。
 

 

≪2≫ 今回の旅、対象は以下のものです。

     

     

 むかし習った「x>0が小さいときは tanx ≒ x ≒sinx 」の、そのわずかなスキマを足し算するもので、(0-0)× ∞ のタイプではあります。1/nの総和=調和級数は、
御承知のとおりギリ発散するので、これに同クラスの対抗馬をあてて(今回は減算して)収束させよう、という趣旨です。

 本来の収束・発散の判定のほうは、それぞれのグラフを目視観察しますと、

    

 となりやして、「これはどう見ても収束だろう」と見受けられます。(x=1での差、x=1/2での差、・・・は、急速に縮まっている様に見えます)

 Σ の中身自体は以下の感じで、さらに収束臭がプンプン。

    

 正式な計算は愚生には難易度が高いので、いきなりPC援用にて数値計算に突入してみましょう。そうしますと、
    as= 0.19189 ・・・(OEIS A362752)
    aT=-0.63018 ・・・(OEIS A------  )

となりまして、これらを定数収集のノートにスケッチするという、植物学者・牧野富太郎博士もどきの行為で悦にいる、という具合であります。

 上記の数値は、Wolframさん、Libreさん(←エクセルみたいなアレ)ともに同様な計算結果で、as の方はOEISさんにも(珍しく?)登場されていた、という状態です。

 

 

≪3≫ そもそも上記の数列は、岩波数学公式Ⅱに載っていたもの(旧版、p52,tanのほう)ですが、どうもそこでの数値が、上記のWolframさん、Libreさんさんとは異なっている次第です。公式Ⅱでは、γをオイラーの定数0.57721…、argは複素数偏角として

    
であって、数値のほうは
    -0.27598… なんですと。

γは上記、またarg・・・をWolfさんで計算してもらいますと-0.30164…と仰るので、そのまま計算すると
    -0.57721...-(-0.30164...)=-0.27557...

 どうも、p52の数値とも合わない(小数点以下4桁目以降)し、そもそも単純計算の -0.63018... (たぶん、こっちが正解?)と、なぜか合わない。arg 云々のところを解明できれば、明確に判定できるのですが、残念ながらその力量ナシ。。。

 

 

≪4≫ う~~ん、これはまたまた「公式集・数表の誤り」なのでしょうかと思い、いつものWikiさまであらためて検索。

 「岩波数学公式 誤記」あたりでカチッとすると、ぞろぞろ登場。愚ブログの過去の記事(2022-8-14)なんかもhitし、いっぱいあるんだなー、いろんな方があれこれご指摘されてるんだなー、という感じであります

candy-house.hatenablog.com

 それと、愚生の公式Ⅱは旧版ですんで、新しいのでは正しいのが掲載されているかもですね。(購入1978.1.28で、当時は¥1,000ちょうど。今日、ちょっとしたラーメンを食すると¥1,000は超えちゃう。どっちが値打ちがあるのか悩ましいデス。・・・どっちもおいしい!)

 どっちにしても、大谷さんや三苫さんだっていつもホームラン打ったりシュート決める訳じゃないんで、公式集にもたまに誤りぐらいあっていいんじゃね~の?という感じで納めておきましょうかー。

 

 結局のところ、どっかでどなたかが書いておられましたが、

    「自分で証明できる場合のみ、公式集の公式を使っても良い

ということなんでしょうねー😅

 

本日も、御静読ありがとうございました。