ゼータ2のx添え

≪1≫ こどもからおとなまで、みんなが大好きなゼータ2;すなわち

    

は、食べ物でいえばカレーライスかラーメンかと言われているくらい人気のある数式であります。

本日は、このシグマ内の分母のところにxを添えてみることで、どんな味の変化が楽しめるかというココロミでございます。すなわち、

    

という関数f(x) を満喫頂くというもので、「ゼータ2のx添え」と呼ばれています。(いろんな呼称は自家製のものです)

 

≪2≫ 最初にお断りしておきますが、本稿は下記の参考図書によるものであります。

  【参考図書】森口他、数学公式Ⅱ、岩波全書、p67,68

これからしますと、上記のf(x) は、xの正負に応じて次のように表されると。

    

    

ここまでお膳立て頂いていますと、あとはグラフ化して満喫します。

   

よく知っているとおり、x=0のときは

    

またx=-n^2の場合は

    

有理点なんかもあり

    

xをうまく選んであげるとf(x) はどんな値でも取りうる訳で、たとえば

    

などなど、目で見て確かめて頂けるかと思います。さらに、

    

と、オイラーの定数なども堪能頂けるという、今宵の一品でございました。

≪追加3≫ 最近、といっても数年前に出た若原先生の次の本にはこの手の例が沢山挙げられています。

 【参考図書】・若原龍彦、美しい無限級数、プレアデス出版(2017)p137~      

       ・同、美しい数学を描く π、e、とオイラーの定数ɤ(2019)p190~

例えばx=0の前後で、x=-1/16=-0.0625(0よりちょっとマイナス)のときは

    

逆にちょっとだけ大きいx=1/π^2=0.1013…のときは

    

すなわち1.54476…となり、いずれもバーゼルの数 ζ (2) の近くに存在しているようです。

究極は、x=0.65415…のとき、f(x) はなんとアペリーの定数になっちゃう、つまり

    

ってな関係が味わえるのでありました。