グラフ海峡 なつ景色

≪1≫ 地理好き・地図好きのひとにとっては「海峡」というのはシビレル対象ですよね。海が狭くなっていて、こっちの陸とあっちの陸が海で隔てられ、陸は見えてはいるんだけど、そこの人とはすぐには会えない話せない。

 グラフソフトGeoさんと戯れていますと、そんな海峡に似た、すれすれに近づいている2つのグラフに遭遇できるときがあります。本日はそんな観察例を3つほど紹介したいと思います。

 

≪2≫ はじめは、ごく身近な2つの関数

    

    

が接近している様子からみていきましょう。いつもお世話になっているものですね。

 えーと申し遅れましたが以下のサンプルすべてに言えることで、区間は限定、つまりほかの箇所では交わっていたりします。それと、近寄り具合を表す「距離」は、y軸方向に測定したもので、「最短距離」というわけではございません。悪しからず。

    

xが3の少し手前あたり(もしや、eでは?)の地点で、急接近しています。この場合の対象の区間は(1、5)とでもしておきましょう。このあたりに接近してみますと、

    

    

という感じです。いつものようにカタカタっとやりますと、最接近のxとそのときの接近ぐあいΔyは

    

    

となりまして、残念ながら最接近点xはeではなかったものの、この接近具合にまずはヒトしびれするというものです。

 

≪3≫ 2個目のはこんなもので、そのグラフからみていきますと、こんな具合で

    

    

ふーっとながめるだけですと、x=1付近で接しているんじゃ?ともみえますが、実態は

    

で、かすかに離れている。このグラフの式はと言いますと、

    

    

で、少々作為的な側面もございますが、さきほどと同様に最接近点とその接近具合を求めますと

    

    

となる次第であります。

 

≪4≫ ほんじつ最後の出し物は、

    

    

というもので、高校数学オーバーエイジ枠のゼータ ζ さんに登場いただいたものとなります。

     

-1から0のあいだで、急接近箇所が観察されます。拡大しちゃいますと、

     

となっており、

    

    

ここの接近具合が1000分の6なんていうのは、なかなか美味なもんだと一人しびれておる次第であります。

 

≪5≫ 青少年のみなさんのためになればということで、こういうものの探し方を記しておきましょう。

 まずは、グラフソフトGeoさんとかで、いろんな組み合わせのグラフを描いてみる。(数学的な意味とかはそっちのけでガンガン組み合わせてみる!)

 次に、接近してそうな2つy1,y2を選ぶ。

 そして、差関数y=y1-y2の極小点xとか極小値Δyを求める(ここは、Geoさんに書かせるもよし、Wolfさんでビブン=0を解いていただくもよし。)

 そして、検算も。(これはWolfさんとかがお手軽?)

 むかしは、電卓しかなかったので上記のような観察行為は殆ど不可能だったんですが、いまはフリーソフトがいっぱいありますので、受験勉強なんかはほどほどにして、どしどし描きまくって楽しんでほしいものですね。

 

≪6≫ 海峡の反対語?は地峡というらしいですが、具体例としてはスエズ運河だとかパナマ運河になっていたところといったほうが有名で分かりやすいと思います。(地峡がすべて運河化されてるわけではありませんが😅)また、「水道」や「瀬戸」ということばが海峡の同義語だというのも、今回の記事作成ではじめて知った次第であります。

 ギネスには「世界一短い海峡」として土渕海峡(どふちかいきょう)が登録されてるとかで、その距離は、なんと10メートル以下と。

ja.wikipedia.org

 海峡のというのは、演歌などでもしばしば題材になったりで、目には見えるのだが接しきれないというその微妙なプラトニックなところが、特にニッポン人の感性に訴えるものがあるものと思われます。石川さゆりさんはうたいます。

   ~ごらんあれが竜飛岬 北のはずれと・・・(津軽海峡冬景色より)

嗚呼、わたしたちはニッポンに生まれてよかったです。